拗らせDKの偏った溺愛



気づくと、お二人とお二人を囲む女の子たちを遠目に見ている男の子たちからも


「すげ〜、竜虎の二人と同じクラスとかヤバイ」


なんて言う声が出ているようです。

男女問わず人気があるお二人なのですね…。

今年のクラスは何かと賑やかで楽しくなりそうな予感がします。


私は新学年になったことと、新しいクラスメイト達とのこれからをあれこれ想像しながら手近にあった席に腰を落ち着けました。

綾乃ちゃんはもちろん竜虎のお二人の近くへ行っています。


ほんのり頬を染めて一生懸命に話しかけているのを微笑ましい気持ちで眺めていたら、高村くんと目が合ってしまいました。

とは言え、お互い面識ゼロですから、私はそのまま視線を外そうとしました。

ですが、高村くんはジッと私を見たかと思うと、ハッとした顔をされたのです。


「?」


思い違いでなければ、私の顔を見て何かを思われたご様子。


なんでしょう?


理由は全く思いつきませんが、私が何かしてしまったとか?

そう思っていると、高村くんは何事もなかったかのように視線を近くにいる女の子へと戻してしまいました。


他の誰かと見間違えたのかもしれませんね。


その時は、勝手に結論づけてそれ以上考えることはしませんでした。



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