こんな男に誰がした!


部屋につくと、ルームサービスでコーヒーを頼んだ。


コーヒーが届くまで、二人とも、何も話さず、弥生は、窓の前で外の景色をずっと見ていて、俺は、ソファーに座り、天井を見つめていた。


コーヒーがくると、弥生もソファーに座った。


「弥生、俺は、真実だけ話すよ。」


と、事の成り行きを、正直にすべて話した。


「村越真由が、勝手にしたことだけど、弥生に不愉快な思いをさせて、本当に悪かった。俺の油断だった。」


「ことの次第は理解できたました。村越さんの言うように、あなたの唇に彼女の唇が触れたことについては、許せない気持ちが強いのは確かだけど、狭いエレベーターの中で、逃げられなかったことも確かよね。もし、私だったらと考えると、あなたのことを責められない。」



「弥生、ありがとう。」


「村越さんには、機会があれば、ちゃんとこのお礼は、するつもりよ。浩輝は、心配しないでね。」


「わかった。それについては、弥生に任せるよ。」


「じゃ次は、私の写真について、あれは和兄さんよ。」
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