こんな男に誰がした!


当然、女の子からの誘いが、増えた。


お茶をしたり、合コンに行ったり、その場に合わせて遊ぶことも増えた。


亮太や要も、一緒に行動しながら、相談に乗ってくれた。


ただ、ベッドの話は、さすがにできなかった。


大学の女の子とは、初めての経験は、したくなかった。


周りに初めてがばれるのが、悔しかったからだ。


亮太も要も、経験済みらしい。


やっぱり俺は、遅いのかな?


でも、その気にさせてくれる出逢いがなかったし、簡単に関係を持つのは嫌だった。


見かけが変わっても、根本的な性格や考え方は、なかなか変われない。





夏休みに入り、俺は気分も晴れやかだった。

その日、カンナさんから連絡が来た。

「浩輝、明日、暇?」

「ん、今のところ用事はないかな。」

「ちょっと手伝ってよ。明日朝8時に事務所に来て。」

「また、朝早いね。」

「バイト賃、はずむわよ。」




翌朝、事務所に行くと、

「実はね、男性モデルがブッキングしたのよ。浩輝は、ショーは嫌いだけど、写真撮影なら大丈夫だよね。」

「余り得意じゃあないけど、困っているんだよね。なら、頑張ってみるよ。」

大体そんなことかなと予想していたが、自分を磨くためにやってみようと決めて、事務所に来ていた。
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