もう一度出会えたら
「違うよ。それに男なんていないし…」


『え、朝比奈…男と別れたの?』


大翔が相当びっくりしたのか大声を出して聞いてきた。


「ちょ、ちょっと声大きすぎ…」


『あっ!わりぃ。つい興奮して…で、いつ別れたの?』


え…そんなに興奮するくらいのニュース?怒っていたはずなのについ笑いが溢れてしまった。


「えっと、去年の年末…」


『そんな前からかよ…全然知らなかった』


「もういいじゃん。私の話は…。せっかく忘れられたんだから」


『しかも朝比奈が振られたのか?』


「もう、ほっといてってば」


苦笑いしながらも明るくそう言える自分の変化に正直驚いた。


『じゃあ、俺が慰めてあげようか?』


なんてまだふざけてる大翔に


「いーよ、間に合ってるから!それより早く仕事しなきゃ終わらないから。大翔ももう席に戻って仕事して」


放っておいたらいつまでも話してそうな大翔を自席に追い返した。
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