一ヶ月の恋…最低男の言い訳…
episode fifth
隆司は私に「信じて」とか「安心して」と言う事が増えた…。

飲み会ばかり。

だけど連絡がくると「子供に会いたい…」

また…始まった…

「今ならやり直せるよ…子供、引き取れるように頑張ってみたら?」

「いや…それは無理。子供の事、思い出して泣いた…」

「私、別れようか?子供とのこれからを考えた方がいいよ?」

「いや…歩花と一緒になりたいし、子供が遊びに来たい時は理解してほしい…」


このやり取りが増えた。

週末は隆司が家に来る。

その時にきちんと話そうと決めた。


一緒にアウトレットパークに行ったり、プリクラ撮ったり楽しい時間を過ごした。

私は「この人が最後の人」と決めた時に渡そうとキーホルダーを買っていた。

お揃いの…。

隆司にその話しをしたら、

「ありがとう。大切にする。歩花の最後の人だから」

「私、重たくない?大丈夫?」

「俺、嫁もそうだったから慣れてるし、重いとか思わないから…」

「何かあったら言ってね…」

「大丈夫だよ」

「よかった…」

「俺がいちいち言わなくても、態度で俺の気持ちを読んでほしい…」

「難しいね…それ」

「なんとなくわかるよな?」

「まぁ…」

隆司は自己中だ。

全て自分の都合。

私の周りの男の子の話しは面白くなさそうに聞く。

だけど、自分の事になると話し続ける…勝手だ。


ブレスレットもお揃い…


曖昧な事を言われる度に不安になる…。


「家に他の女の子はあげないでね」

「あげてないよ…」


その日から1週間後、隆司の家に行った。

変な胸騒ぎがした…。

ダブルベッドにシングルの布団が2枚…

隆司は基本、一人の時はソファーで寝る。

それなのに…ベッドには布団が2枚。

おかしい…。

隆司がトイレに行くとこの場を立った時に、布団を捲った…肩ぐらいの髪の毛…明らかに私のではない…

トイレから戻った隆司は、

「どうした?」

「これ…何?」

「この前の飲み会に来てた子の子供が寝たんだ」

「へぇ…」

「俺は何もないから」

私に背を向けてそう言った。


何かあった…そう言っているようだった…。


何事もなかったかのように私を抱いて、自分だけ満足して寝てしまった。


一つ気になりだすと次から次に気になる。


少し前は未来を語っていたのにね…

歩花と一緒に住みたいって言っていたのにね…


最近は何でも言葉を濁すようになったね?


信じれないよ…隆司。


私はどうしたらいい?

隆司の変化を見て、身を引けばいいの?

都合良すぎない?

そんな事ばかり考えてしまっていた。


恋はやっぱり私に向いていない…わかっていたのに…

隆司が遠く感じる…もっとしっかりしてると思っていたから…始めてしまったよ…恋…。
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