[完結]甘やかし王子様が離してくれません。



「……そういえば、昨日の放課後何してたの」


「テニス部のカラオケに参加させてもらってた!!」



そう言って、遠藤先輩が時折眉をしかめながら、そして周りから「頑張れよ!!」って茶化されながら有名な歌をうたっている姿を思い出した。


なんでも完璧にこなせるってわけじゃないっていうことが分かって、少し心の距離が縮んだ気がした。



「じゃ、次はサッカー部のカラオケ大会参加する?」



「え、それは遠慮します」



サッカー部、マネージャー以外みんな男の子だし。
多分テンションに付いていけない。



「ちぇー。楽しいと思うんだけどな」



そうぼやいて、彼はわたしの机の上で開いている化学の教科書を覗き込んだ。



お誘いしてくれたのはありがたいんだけどね。


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