私の王子様はあなただけ
「どうした?随分と嬉しそうな顔をして、夜景を見ているけど」


「思い出していたの。あなたが、クリスマスイヴにしてくれたサプライズプロポーズを」


「恥ずかしいから、思い出すなよ」


照れた顔をして、そっぽを向いてしまったあなた。私はここでクリスマスイヴにサプライズプロポーズをしてもらった後、結婚して二人の子供を授かった。


辛いことも苦しいことも、何度泣いたかもわからない。だけれど、一度も後悔したことはなかった。


今日は、娘が結婚を決めた日。あなたに似て少し、照れ屋だけれどとても優しくて素敵な人だった。


あなたは少しふてくされていたけど、お父さんに似た人と結婚するなんて、やっぱりあの子はお父さんが大好きなのね。


「ねえ、あなた。またここに連れてきてくれる?」


あの時のように若くもないし、しわくちゃのおばあちゃんになってしまったけれど、またここに連れて来てくれてありがとう。最高のクリスマスイヴだわ。



「当たり前だろう。次は、金婚式のときに連れてきてやる。それまで死ぬんじゃねえぞ、俺もお前も」


「まあ、それは絶対に連れてきてもらわなきゃいけないわね」




大富豪でも御曹司でもないけれど、私にとって一生、王子様はあなただけ。
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