極上な彼の一途な独占欲
みんなの動きを見ている自分の眉間にしわが寄るのがわかる。ダメだ、私がこんな様子でいたら、無意味にプレッシャーを与えてしまう。早く伝えるべきことを伝えてあげないと。

手のあいていそうな子から話をしようとしたとき、中山さんたち代理店の面々が色めき立った様子で集まるのが、視界の隅に映った。


「ネットに書かれた」


緊迫したささやきが、耳を澄ましていた私に聞こえた。どれだけまずい状況かは、彼らの顔を見ればわかる。

私は、なににかわからないけれど祈るような気持ちで、ぎゅっと手を握りしめた。

けれどこの出来事は、後から見たら、ほんの序章だった。


* * *


「——天羽」


夢うつつに声を聞いた。

目を開けてもなにも見えない。


「天羽」


あ、そうだった、と顔の上にタオルを乗せていたのを思い出し、それを取る。目の前に、こちらを覗き込んでいる顔があって、思わずぎゃっと声をあげた。


「伊吹さん」

「どうした、大丈夫か」

「はい、ちょっと、貧血というか。すみません、お見苦しいところを」


控え室のソファで横になっていた私は慌てた。伊吹さんが机のほうへ向かいながら、手で制するような仕草をする。


「気にするな、寝ていろ」

「あの、申し訳ありませんでした、昨日からいろいろと」

「構わない」


寝ていろと言われてもそうはいかないので、私はソファの上で急いで身体を起こした。その影響で、くらっと来る。

タオルに顔を埋めたところに「だから、寝ていろって」と呆れた声がした。
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