やさしい夜

オジサンは、名前も教えてくれない。
ただ、オジサンって呼んでくれ。そう言った。

最初に声をかけられた時、私はただのエロオヤジだと思っていた。
お寿司は好きですか、と言われたのでついていっただけだった。

そのあと、もしお金をだすからエッチしよう、なんて言われたら
カバンでたたいて逃げようと思っていたんだ。

おなかもすいていたし、なにより家に帰りたくなかった。
夜は寒くて、さみしくて、嫌いな時間だったから。

今でもくっきりと覚えている。
とってもおいしいお寿司を食べて、ゆっくりとお茶を飲んだ。

公園に行こう、と言われて、またかと少し思った。
でも他の人みたいにエッチなことはしないよ、と言わなかったから
信じてついていってみたんだ。

公園についても、オジサンはゆっくりと椅子にすわっているだけだった。
目の前に派手にあがる噴水をみながら、
私たちはゆっくりしたんだよね。

でも、ただそれだけなのに、オジサンを好きになったんだよ。
自分でも、好きになるなんて思っていなかったのに。



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