プレミアムステイは寝不足がベスト

もちろんホテルは宿泊するためにあるのだし、私たちがゆっくり眠れるように様々な工夫をしてくれている。

『よく眠れましたか?』は決まり文句のような挨拶であって、この質問が悪いというわけではない。

だけど、ぐっすり眠った思い出より、楽しく夜更かしした思い出の方がずっと輝いていると思った。

「もし彼氏と来たら、一晩中ラブラブするでしょ」

と言った彼女に、私は大きく頷く。

「うん。熟年夫婦じゃあるまいし、この圧倒的に盛り上がれる雰囲気でゆっくり休んじゃうなんて考えられない」

天井に貼られた壁紙から床の絨毯まで、自分たちを包み込むすべてが夢のように輝いているこの空間で、甘いひとときを過ごしたらどんなに素敵なことだろう。

私は残念ながら恋人呼べる人とこのようなホテルに宿泊したことはないのだが、想像しただけで心がときめく。

私の彼は優しいけれど、どちらかというと無骨なタイプで、キザな演出やゴージャスな雰囲気を好まない。

でも、もし彼とこのホテルのラグジュアリーダブルルームに宿泊したら、いつもとは違う彼が見られるかもしれない。

「俺、なに着てけばいいの?」なんて言いながら着る服に迷う彼。

迷いに迷っていつもよりキレイめに決めて、どことなく恥ずかしそうにしつつスマートに振る舞う彼。

部屋に入って人目がなくなったとたん、きっとホッとしていつもの彼に戻る。

そんな彼と一緒に夜景を見て、ふたりで香りよいバスソルトを溶かした湯船に浸かり、ふだんよりずっと甘い言葉を交わす……。

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