塩顔男子とバツイチ女子



夜勤三連続、お昼出勤から日付が変わるまでの勤務、朝八時から出て上がりは二十二時。そしてまた夜勤二連続…。いずれもものすごく忙しかったから休憩もろくに取れなくて。今朝お風呂から出てスキンケア中にまじまじと顔を見たら、絶望的に酷かった。
クマもそうだけど潤いがなくて、頬も痩けたというか…。


「でも私、クリスマスも仕事なんだよ」

「これだけ働いてまだ働くの」


ばあちゃんの言う通り。これだけやってもまだ働くのだ。理由は上司が胃腸炎でダウンしたから。社員は六人、あとはアルバイトとパートさん。世の中は天皇誕生日から三連休だというのに私は仕事。幸い夜勤は免れたけれど。


「果てしないよね、仕事って」

「そりゃあね。追求したらキリがない」

「ばあちゃん、ごめんね。家事が出来てなくて」


ここ一週間は寝に帰るようなもので、何もかもばあちゃんに任せっきりだった。唯一やっていたのはお風呂掃除。どうしても私が最後だし、自分が出来る事はやらないと。


「別にいいのよ。そんなのは気にしなくて。まずは自分の事をきちんとね。体壊したら元も子もないんだし、忙しいのはいい事だけど。なつみだって独身なんだから、もったいないわよ」


何がもったいないのかは分からないけど…バツイチだし、付き合ってる人がいるわけじゃないし。結婚していた時もクリスマスに仕事だった。元旦那だってそうだったし。社会人になればそれが当たり前。


「なつみ、年末はどうするの」

「どうするって仕事だけど。大晦日は夜勤になっちゃったし、それなのに元旦は中番だよ。信じられない」

夜勤明けで中番なんて自分でも耳を疑ったけど。

「二日と三日の休みはもぎ取った。連休なんて久しぶりだよ」

「…聞いてて可哀想になってくるわ。私は30日から旅行に行くからね」


旅行かぁ。私の休みはきっと睡眠で終わるに違いない。それか母にコキを使われるか、面倒な事になるから出歩くなと言われるかのどれかだ。
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