切リ取リマスカ?
知らない間にあたしは大雅を睨み付けていた。


「は? なんでそんな顔してんの?」


「大雅にとって、あたしってなに?」


ただのファンならあたしがここにいる意味なんてない。


大雅の夢を応援する意味なんて、どこにもない!


グッと奥歯を噛みしめて大雅の次の言葉を待つ。


「とりあえずさ、俺の部屋行くだろ?」


「なっ……」


驚いて声がでなかった。


「ずっと我慢してたんだって、言っただろうが」


その口調は険しくて、まるであたしが責められているような感覚になる。


「大雅……」


「それにさ、俺に特別扱いされれば心だって安心するんだろ?」


耳元でそう囁かれた瞬間、体中に嫌悪感が走った。


つま先から頭のてっぺんまで一気に虫唾が走る。


大雅の事をここまで嫌だと感じたことなんて、今まで一度もなかった。


自分自身の感情に自分が付いていく事ができない。


だけど、これだけはハッキリとわかった。


あたしは自分のすべてを大雅に預けたりなんてしない!


「バカにしないで!!」


あたしはそう怒鳴り、大雅の手をふりほどくと走り出していたのだった。
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