切リ取リマスカ?
「来るなら来るで、大雅にお願いしておけばよかったのに!」


「あぁ~、いいのいいの! あたしは邪魔するつもりはないから」


紀子はそう言って左右に首を振ると、グラウンドに視線をうつした。


邪魔って、別に邪魔とかじゃないのに。


そう思うけれど弁解するのも恥ずかしくて、あたしはグラウンドを見た。


丁度大雅がシュート練習をしている所だ。


その姿だけでもすごくカッコよくて思わず見惚れてしまう。


今日は、今日だけはうまく行きますように。


1年生にしてレギュラーなんて、すごいことだもん。


絶対に大雅に出場してほしい。


そう思う中、どこか遠くから雷の音が聞こえ始めていたのだった。
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