王子様だってお姫様になりたい
時が止まったように感じられた

試合で負けた悲しみなんて吹っ飛んだ

隣コートに目が釘付けだった

真剣な瞳。打ち方。ボールの音。

すべてが大貴のものだった



心臓がいたい。

早く大貴の顔が見たい!

と急いでその男子の顔を見た


……あれ?…大貴…じゃない……

確かに打ち方や真剣な瞳は大貴そっくりなのに

大貴ではない。

…まじかよ。

まさかの人違い…あ、あり得ない…

ショックすぎるよ…テンションすっごい下がるよ


でも、ドキドキが止まらなかった。

なんだろう、大貴じゃないんだけどあの打ち方とかにときめく

とてつもないイケメンだしね、しかもその人

それで大貴だったら最高だったのになぁ…とか考えながら

中学生さいごの試合は終わった
< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop