スイートルームで、一晩中





街がイルミネーションできらめく、クリスマスの夜。



お台場にある高級ホテル『ベイタワー東京』。

その20階、東京湾を一望できるオーシャンビューのレストランで、ピアノやバイオリンの生演奏の音色に耳を傾けながら、私たちはワイングラスを合わせた。



この日のために買ったワンピースに身を包み、クリスマス限定のフルコースに舌鼓を打つ。

それはとてもロマンチックで、幸せな恋人同士の姿……になるはず、だったのに。



「なんで……なんでなんでなんで!クリスマスを三宅さんなんかと過ごさなくちゃいけないのー!」



そこにあるのは、やけ酒を煽るようにグラスの中のワインを飲み干す女と、それを呆れた顔で見る男、というふたりの姿だった。



「落ち着けよ。つーか自分から誘っておいて『三宅さんなんか』ってなんだよ。なんかって」



苦笑いで言われ、「だって!」と言葉を続けようとするが、それを遮るように目の前の彼は言葉を続けた。



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