黒猫系男子にご注意です
優しい瞳を向けながら、わたしの髪を梳く蓮夜くん。
「あ、あの...っ、蓮夜く...」
今までとは打って変わって違う、優しい声と表情に、ジワジワと心が温かくなる。
「ん?」
呼びかければ、また笑って言った。
「蘭音は、すぐに顔、赤くなるよな。」
「だ、だって...」
またそうやって意地悪なことを言うけれど、わたしの髪を梳く手は優しい。
なんだか、眠くなってきた...
会ってまだ間もないのに、
意地悪で強引な性格なのに
こんなに安心するのはなんでなんだろう...
そんなことを考えているうちに、窓から入ってくる温かい日差しと優しい手に、いつの間にか眠りに落ちてしまっていた。