白い狐は出会いの季節
シナリオ

導入





ああ、やっと帰ってきたみたいだね。
随分と遅かったじゃない。



総長と賭けてたんだよ?
「日が暮れる前に帰ってくるかどうか」。


もうすっかり日も沈んちゃったし、賭けは僕の負けだよね。おかげで今度奢ることになっちゃった。総長の行く店ってなーんか微妙に高いんだよなあ。


え?どうでもいいって?


そうだね。僕もどうでも良くなっちゃった。


だって、




「花楓ちゃん!昨日は散々吠えてくれたのにやっぱり来てくれたんだね!
心無しかご機嫌ななめもなおってるね!!
ねぇ、真唯になんて口説かれたの?
ねぇ花楓ちゃ」


「ごめんたった今気分悪くなった全力で帰りたい帰ります」


「桜井さん!?」


その目は相変わらず感情に溢れていた。
今はなにか面白いものを見たと言わんばかりの気味の悪い笑顔も浮かべている。


あぁ、こんな所に戻ってくると決心した私をぶん殴ってやりたい。

……いや、光さんをぶん殴ってやりたい。



「…十七夜さん、しばらく黙っててもらえますか」



「……!!?」


真唯の冷たい一言に相当ショックを受けたようで、さっきまでのご機嫌オーラはどこへやら、説教をくらった小学生のようにしょぼんと凹み口を手で覆った。


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