白い狐は出会いの季節
「...へぇ、そういう事。」
真唯が説明し終えると、男は納得したのか、
「じゃあ僕は偶然にも知らないうちに君のヒーローになっていた訳だね!」
と、相当な満面の笑みでこちらを振り向いた。
「.........。」
「あは。嫌なら否定してもいいんだよ?」
気付かぬ間にその男を睨んでいたらしい。
このチャラ男に助けられたなんて。
いや、真唯に助けられたと思えばいいのか?...いいや。
「ところで、君って誰?真唯の知り合いみたいだけど。」
この男に名を名乗るのか...。
嫌でしかないが、いつまでも「君」って呼ばれるのも嫌だ。
「桜井...花楓、です。」
「へぇ~花楓ちゃんね。じゃあ、気をつけて帰りなよ。」
そう言って男は手を振った。
ちょっと待て。
「え、あなたは名乗らないんですか。」
無意識に出た言葉だった。
「え~?なになに?僕に惹かれちゃった?メールアドレスなら教えてもいいけど、名前はちょっとなぁ。」
「...。じゃあいいです。もうチャラ男って呼びます。」
「ちゃっ...チャラ男っ!?」
「ほら!十七夜さんも名乗らないと!桜井さんに失礼ですよ!」
真唯が名乗るように促してくれた。
「もう、真唯は最近反抗期だなぁ。いいよ。チャラ男って呼ばれるのも嫌だしね!」
「僕の名前は十七夜 光(かなぎ らいと)だよ!だからチャラ男って呼ぶのホントにやめてね!」
どうやら相当チャラ男が気に入らなかったらしい。