十年分の、ありがとう
◇十年間のこと

当時はちょうど、ケータイ小説ブームが始まった頃。
最初の三年くらいは、わたしもノンストップで走っていた気がします。

楽しいことばかり…とは正直言えないかもしれません。
スランプに陥ったことも一度や二度ではありませんでした。
自分が書きたい作品と流行りの作品、そのギャップに苦しんだ時期もありました。

もともと自分に自信がないタイプなので、落ちこむことがけっこう多かったです(>_<)

そんなとき救ってくれたのは、やっぱり読者さんの存在でした!

「早く続きが読みたい」
「応援してます」

直接会ったこともなく、顔も声も知らない読者さんたち。
だけどその文字にこめられた想いに触れるたびに、わたしは何度も希望と勇気をいただきました。

「自分はたくさんいる読者の中のひとりだと思いますが…」
とおっしゃる読者さんも中にはいました、が。

……とんでもない!

その「ひとり」が、作家にとっては大きな力になるんです。
その「ひとり」「ひとり」に、作家は支えられているんです。

たぶんそれはわたしだけでなく、ほかの作家さんも同じだと思います。

たった「ひとり」が欠けただけで、今とは違ったかもしれない。
すべての出会いがわたしにとって、かけがえのないもので、心から感謝しています(;o;)
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