【短編】恋のおわりとはじまり
恋の終わり?

失恋という名のもの

*失恋という名のもの*


「ちょっと、夏輝あんたまだ宿題の居残りやってんの?」

私はあきれて、はぁーっと溜息をついた。

部活に行く途中、忘れ物に気付いて教室に戻った私は、夏輝を見つけ声をかけた。

そしたら、まぁ夏休みの宿題の居残りやってるんだから、あきれて何も言えない。

「終わってないんだから当たり前。あ、そうそう。香奈ココの問題分かる? ていうより教えてくれ。実力テスト1位のお前ならわかるだろ」

実力テスト1位。それは一応ホントのこと。なぜか知らないけど、うちの中学ではテストの1位だけ発表される。おかげでみんなが私の点数を知ってる。だけど……実力テストで一番になったのは今回が初めてなんだけどなぁ。

「当たり前じゃないよ。もう9月半分過ぎたよ。……でどこの問題? 部活もあるんだから早くしてね」

「ココ。3の(5)」

どれどれ……と私は夏輝の宿題を覗き込んだ。

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