天空の覇者
処置室を出ると大隈ファンの女どもが心配そうに集まっている。

真っ青な顔してるヤツ、泣いてるヤツ…色々居るが皆一様に悲しんでいる。

「大隈の事なら心配せんでも大丈夫。傷は大した事無いから…出血が酷かったけど輸血すりゃなんとかなるから…」

別に女どもを安心させるつもりなんざこれっぽっちも無い。

入隊以来いつも一緒に競い合って来た仲間でありライバルでもある大隈は俺にとってかけがえの無い親友

こんな事でくたばる訳無いと自分に言い聞かせる為の方便だ。

実際出血の方は、かなり酷く助かってもしばらく現場復帰は無理だろうってのが痛いほど解る。
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