溺愛の定義
ハジメテ
「ほんと、可愛い」

何度も繰り返すと言葉に重みがなくなるってホントだな。

「それ以上言うとウザいよ、悠人」

「でもホントだからね。美羽より可愛い子って俺、見た事ないし」

「目、見開いて現実をちゃんと確認した方が良いよ」

「俺、両目１.５だから。ちゃんと見えてるよ」

「だからウザいって」

悠人には私が可愛く見える。それは小さな頃からだから、きっと擦り込みだ。
ずっとそう言ってるのに‥‥悠人は自分の意見を曲げない。

至極普通を自他共に認める私にとってはそれはある意味拷問だ。

「なんで分からないかなー。美羽こそ、ちゃんと見えてる？」


そのセリフ、そっくりそのまま返すよ！


眉目秀麗。みんなのアイドル。
最高学府で優秀な成績収め続けている彼にこそ、賛辞はふさわしい。

なんで分かってくれないかなー。



< 1 / 18 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop