校庭に置いてきたポニーテールの頃
2001.6.2 バトン
中学三年生になると、何をするでも頭に『最後の』という言葉がつく。

最後の夏休み、最後の文化祭、最後の中体連……

そして、来週の日曜日は最後の体育祭だった。そのため授業でも体育祭に向けての練習を行なっている。


毎年、体育祭の目玉となるのが、三年生によるクラス全員対抗リレー。

春先に測定した100メートル走のタイムを参考に、走る順番や作戦などをクラスみんなで考える。


俺らのクラスの作戦としては、男子はタイムの遅い順番、女子は早い順番で、男女交互に走ることになった。


俺もヒロも足は速い方だった。さすがに陸上部や野球部の奴らには勝てないけど、なんだかんだで二人ともクラスの中で上位5人には入っている。


女子の中では浦東がダントツに速くて、俺らのクラスのトップランナーを務めることになっていた。

運動が苦手な宮西は、やはり最後の方のランナーだ。偶然だけど、ヒロからバトンを受け取り俺に渡す順番になっていた。

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