校庭に置いてきたポニーテールの頃
唯は笑いながら言った。

「男好きっていうのは否定はしないけど。

けどマナは惚れっぽいわけじゃないし、かっこいいって話をするのも、そこらへんのアイドルと同じ感覚で話してると思うよ」


なんとなく腑に落ちない気がするけど、確かに私達も普段からクラスの男子の話をするし、それと同じってことなのかな。


彼氏を盗った件については、マナがその彼から告られたことがきっかけだった。

マナもその人の事が好きで付き合うことになったけど、彼女がいた事は知らなかったみたい。


それこそ後になってから、彼女がいた事実を真綾ちゃん達に責められるように知らされて、マナから彼に別れを告げたということ。


「付き合うことになってマナはすごく喜んでたし、別れるときはマナの方が傷ついてたんだから。

彼女がいた事を知らないって真綾ちゃん達に言っても信じてくれなかったけど、私はずっとマナといたからわかるんだよね」


私はその時、なぜだか胸がちくっとしたんだ。

唯とマナの間に固い絆を感じてしまい、羨ましく思ったのかもしれない。

ヤキモチに近い感覚だったのかな。

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