キンダーガーテン    ~温かい居場所に~
流石に仕事始めはみんな疲れてて、彩ちゃんのお家に寄ることなく真っ直ぐ帰宅。

駅に着くと「お疲れ!」って笑顔の先生が。

「送るよ。乗って。」

馴染み始めた先生の助手席。

先生の隣に座ると、昨日の淋しさと今日の疲れから

ふぅ~って溜め息が漏れちゃった。

「ねぇ~唯ちゃん。びっくりした?今日の人事。」

悪戯っ子の笑顔で聞いてくる。

唇を尖らせて拗ねてたら

「唯ちゃんが、認められたって事だよ。園長先生も
褒めてたでしょ?」

「だって…梓ちゃんがいなくて不安なのに……
新しい子供たちと新しい先生を迎えるんだもん…………。」

スッカリ自信をなくしてイジケモードの唯は、

ついつい先生に甘えてしまう。

口調も子供っぽい自覚はあるけど…愚痴りたくなっちゃうよ。

そんな唯を優しく見つめて、また前を向いて運転している先生。

こんな時、大人だなぁ~って思っちゃう。

「大丈夫。唯ちゃんは、一人じゃないでしょ?
オレも四人も付いてるんだから。ドンドン頼れば良いよ。」

そう言って、左手でそっと頭を撫でてくれる。

「だって…」

まだもう少し甘えたくて、素直になれずにいたら

< 70 / 98 >

この作品をシェア

pagetop