クリスマスの奇跡
好きな気持ち

一目惚れ

中学一年の2学期半ば、私はある人に恋をする。

今まで、小学校から変わらないメンバーと過ごしていた平凡な日々が続く私に遅めの春が来た。

彼の名前は安井雄太(やすいゆうた)。私の幼馴染の勇人と同じクラスの男子。

時々、勇人から彼の話は聞いていたけど、どの人か全然知らなかった。

ある時、勇人の教室に遊びに行くと勇人が彼と話していた。私はその時初めて勇人が話していたあの人が彼だということを知った。私はその彼を見て、恋に落ちてしまった。

私は一目惚れとか信じず、したこともなかったけど、この時初めてその感覚に気づいた。

それからというもの、彼のことを目で追うようになった。

最初は一目惚れも半信半疑だったけど、無意識に目で追っていくうちに本当に恋したんだと自覚した。

クラスも別々で話したこともないのに、どうしたらいいかわからず、幼馴染に打ち明けることにした。

私と勇人は仲が良く、男兄弟みたいだったので、なんでも話をしている仲だった。

下校はいつも勇人と帰っていた。その帰り道で勇人に言おうと決めた。

「ねぇ、勇人」

「ん?どしたん麻衣」

「あんな・・・・好きな人できた」

「え!!!!!」

勇人はびっくりした顔をしたかと思えばすぐに、にやついた顔をし始めた。

「だれ???」

興味津々にウキウキ聞いてくる。

「勇人と同じクラスのやすくん」

やすくんとは彼のことだ。勇人そう呼んでいたので真似して言ってみた。

「え!?やすくん?まじで?」

あまりにも、意外な人だったのか勇人は驚きを隠せなかった。

それから、勇人はやすくんのことを話し始めた。

「でも、あいつ自分から告ってばっかで告られたことあんまないらしいで」

その言葉に私は驚いた。やすくんはもっとモテていると思っていたからだ。
彼の容姿は私からすればなかなかのイケメンだ。
爽やかイケメンって感じのイメージだった。

「あ、そうなんや。意外」

私がそいういと、勇人は・・・・・

「やからいけるって」

ん?なにがいけるんだ。すごく嫌な予感しかしない。

「告白しよう!!!」

はぁ・・・。予感は的中。

見ず知らずの人から告白されてもどうしようもないことぐらいわからないのかこいつは。

「無理に決まってるやろ」

私はため息交じりに勇人にそう言った。

「え!大丈夫やって!いける気がする!」

たぶんその気は気のせいだと思うのですが・・・・。
説得力の無さに嫌気がさす。

「いや、告白なんかしやんで?」

私は断固拒否して、じゃ。と言い勇人と別れた。
< 1 / 17 >

この作品をシェア

pagetop