別れるための28日の蜜日
「百合の作る和風ハンバーグも好きだな。あの大葉と大根おろしのヤツ」

「そういえば、ずいぶん作ってないもんね」

食後のデザートとコーヒーを楽しみながら、私の中で未練が湧き上がってくる。

計画では、来週はもっと律人と距離を置く予定だ。今週はメールの返事を翌朝には返していたけど、それも止めて平日は連絡しないつもりだった。

でも、それでホントにいい?
こうやって穏やかに食事や会話を楽しむことを今日で最後にしてホントに後悔しない?

「ごめん、ちょっとお手洗い」

律人に断って席をはずした。
ほんの少しでいいから、考えたい。


よく考えれば、カレンダーを見て始めた無計画な計画だ。自分の気持ちを納得させる事さえ、計画を進めながら同時進行なんだから迷うのは当然かも、しれない。

でも別れないって結論にはならない。

私達の世界が違ってしまった事は変えられないんだ。将来の幸せのために、今はツラくても決断するべきだという思いは変わらない。


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