別れるための28日の蜜日
コーヒーをテーブルに並べながら、相変わらず視線を合わせずに促した。

忙しい朝なのに2人で向かい合って食べる食事はなんだかゆったりとした時間で、栄養が摂れた!って感じられた。



なんか新婚さんみたい‥‥‥。


これから別れるって決めてるのに、新婚気分に浮ついてどうするんだか、私。自分にツッコミつつ、向かいの律人が幸せそうに食べてるのを見ると、まんざらでもない。

ま、いっか。こうやって最後に幸せをいっぱい感じるために計画変更して同居したんだもん。満喫しよう。

ただ、律人には罪悪感も感じてしまう。
律人がすぐに前を向ける別れ方にはしなきゃいけない。そのためにもやっぱり町田さんに協力してもらった方がいいだろうか。

キラキラした朝に小さな影を考えて、気付かれないように小さく息を吐いた。

「百合、今日は遅くなる?俺、そんなに遅くならない予定だから夕飯作っとこうか?」

やっぱり律人も浮き足立ってる、と思う。初めての同居にそわそわしてるんだろう。
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