偽りの翼Ⅱ



そのとき、ふっと景色が変わった





「花恋…」




私を呼ぶのは、懐かしいあの声




「お母、さん」




「前はごめんなさいね。…関わるななんてひどいこと言ったわ」




「うん………」




ショックだった、本当に




「今は、幸せ?」




「うん、幸せだよ?」





どうして、そんなことを聞くのだろう





「ねぇ、花恋。その幸せを手放しちゃダメよ?………たとえどんなことがあっても」




お母さんは優しく笑ったけど、どこか悲しそうに見えた。










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