Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
大学まで行くには、駅は避けて通れない。

あそこを通らないと大学へはいけない。

そう…昨日、連れさらわれた場所。

駅を過ぎた時、あこの足がピタリと止まってしまった。

「…でねっ、あ、あこ?」
エリが立ち止まってしまったあこを振り返った。
あこは立ち止まって、小さな体を、傷だらけの小さな体を小刻に震わせてうつ向いていた。

「…あこ…。」
エリはあこの正面に歩み寄った。
あこは真っ青になっていた。

ぎゅっ…
「あーこ?
大丈夫。大丈夫。
平気!平気っ!」
エリが天使のような笑顔であこの手を握り締めた。

『エリ?怖い…帰りたい。』
あこの小さな手が冷たい。
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