Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
『うぅっ…風が冷たい!!…もう11月も近いだもんねっ…』

道端では、茶色の枯れ葉が風に吹かれて、ダンスをしていた。

秋の冷たい風があこの頬を撫でて、走り去って行った。


そして…

いつもの様にエリと合流して。
いつもの様に大学へ向かう。
いつもの様に講義を受けた。

変わった事と言えば、ケンがあこを避け始めた事くらいだった。


午前10:00。
あっちゃんの家から近い、総合病院。

あっちゃんは検査結果を聞き終えて、会計をするため、椅子に腰かけて呆然としていた。

風邪を引いている人。
怪我をしている人。

あっちゃんの回りはいろんな患者さんで騒がしい。

「あれっ?アツシ?
どうしたの?風邪?」
あっちゃんの肩をポンッと叩いたのは有美だった。

「おぅ!有美こそ………」
有美の右手には産婦人科の診察券が大切そうに握られていた。

「…!!有美…お前、もしかしてっ…」
あっちゃんの顔が明るくなった。
< 263 / 376 >

この作品をシェア

pagetop