甘々なボスに、とろけそうです。


(か、かわっ……可愛らしいだなんてぇぇ!!)


「1人だと心細いですか?」


「……はい」


「では、一緒に行きましょう」


(いいのぉ!?)


「……あ、ありがとうございます!!」


「元気の良いお嬢さんですね」


そういうあなたは、笑顔がとても素敵で、いきなり私、癒やされちゃっています……!


謎のジェントルマンのおかげで、なんとかエントランスをくぐることができた。

その先にあったのは……

(ひ……広っ……!!)

開放的な空間が、照明だけでなく外から差してくる日差しでキラキラと輝いている。美しい。

そして、そこにいる人たちのセレブなオーラにはやくも息が苦しい。

立ちくらみしそう……。


「お嬢さん、何階にご用ですか?」


「あ、えっと、28階……です」


「ほう」


ジェントルマンの眉毛がピクリと動き、目を細めてこちらを見る。

(え? 私、なにか変なこと言った?)


「エレベーター、使っていいですか?」


「ええ、どうぞ。でも、気をつけて下さい。全てのエレベーターが28階にたどり着けるわけではありません」

< 14 / 194 >

この作品をシェア

pagetop