甘々なボスに、とろけそうです。


「兄の……友達……」


「この間も、一緒にゲームしたし」


――ゲーム?


兄も私も昔からゲームは好きな方で、赤と緑の帽子を被っている、ヒゲを生やした有名な兄弟が登場するアクションもののシリーズにはハマったなぁ。

他にも色々と持っていた。でも、兄はやがて勉強に本腰を入れ始め、ゲームをやらなくなった。

私も、兄が一緒にやらないなら……と遠のいていった。

変わりにハマったのが、読み物だ。

近所にカラオケやゲームセンターでもあれば違った生活をしていたかもしれないが、なにせ田舎なもので、そう遠くへ遊びに出ることも、ほとんどなく。

やがて自分の携帯を持つと、無料で小説や漫画の読めるサイトを見つけて利用し始めた。

そのサイトはクラスの子たちも多く登録していて、お小遣いも少なければ娯楽も少ない私たちには、いい楽しみだった。

中でも恋愛ものが断トツの人気で、周りの子は『漫画みたいな王道な恋がしたい!』やれ、『イケメン転校生か実習生来ないかな』と無駄な期待をして、それはそれで面白かったっけ。


社会人になった兄の、ゲーム仲間に……遭遇。


それも、こんなに若くて……


――What a beautiful boy!

(なんて美しい少年なの!)

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