甘々なボスに、とろけそうです。


「おはようございます」


――!?


振り返るとすぐ目の前に立っていたのは、濃いめのグレーのスーツを着た男性。


「お待ちしていました」


誰……ですか?

とても爽やかで優しいお兄さんという感じで、さっき聞こえてきた声の主ではない。


「はじめまして、室井(むろい)と申します」


「……はじめまして!」


「猫垣の妹の、未衣子さん、ですね?」


「は、はい……」


私のこと、知っているの?


「そこのソファへ」


ソファ?

私は視線を、室井さんから部屋へとうつす。


(……!)


1番に目に入ったのは、手前にあるソファ――ではなく。

真っ黒な部屋の奥にあるデスクで、モニターをじっと見つめている、1人の男だった。

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