甘々なボスに、とろけそうです。
(インセンティブ……?)
「インセンティブ――報奨金です。目標達成時などに応じて支給されるものです。ここの社員は、インセンティブで月に数十万~数百万の給与差が生じます」
室井さんが、わかりやすく補足してくれる。
「1万円も、いただけないです。しかもインセンティブなんて贅沢すぎます」
「心配するな。あまりにも使えなければ、即刻減給してやる。インセンティブどころか、邪魔をすればこいつは没収だ」
そういって、私の社員証を掴むボス。
と、ボスが社員証をまじまじと見つめ始めた。どうしたのだろう。
「……室井、この写真、俺に送っておけ」
(こ、こんなの欲しいんですかボス!?)
いきなり撮られて、おどけた顔ですよ。なんとも間抜けな顔ですよ。
「そうおっしゃると思ったので、送信済みです」
なに人の写真勝手にボスに送っちゃっているんですか、室井さん……!
「いいか、ミコ。俺は仕事で手を抜くつもりはないからな。別にボランティアしたいわけじゃない」
(……!)
ボスは、出会ってすぐの私に、なんだかとても優しいけれど……。プライベートと仕事とは、ちゃんと区別する気でいてくれているんだ。
「よろしくな」
「はいっ! よろしくお願いします!」
「それでだ。まずは、その格好どうにかしてこい」