甘々なボスに、とろけそうです。


「そうだったんだぁ! ミーコちゃんは、どこに配属されたの?」


配属? な、なにも知らないぞ。私は資格もなければ、ITの知識だってほとんどない。

でも、待てよ。そういえば……


「社長から、ウィルくんのお手伝いとだけ、聞いているのですが……!」


「あらあら。それは大変ね」


(?)


サナエさんが、声をひそめてこう言った。


「ウィルくんは逸材(いつざい)だけど、手のかかる子だからねー。諸刃の剣とでも、言おうかしら」


諸刃の剣……?

つまり、ウィルくんは会社に大きな利益を生むけれども、非常にリスキーなことをもしでかす恐れがある……と、そういうことなのだろうか。


「ウィルくんなら、いつも〝あの部屋〟にいるわよ」


「あの部屋……?」


「社長室の、隣の部屋。そこをウィルくんに提供してるの」


会社に、ウィルくん専用の部屋があるの? 他の人は、自由とはいえ共同スペースで働いている感じなのに。

えっ、待って。ウィルくんの扱い、凄くない?


「機密情報を多く扱っている……とか?」


「っていうよりねぇ。基本的に、誰とも群れないの。社長のいうことしか聞かないし。1人でできる仕事を、それも気の向くままに受けてるみたいね」


は、反抗期ですかぁ……!?


「いいんですか? そんなの……」


「いいのよ、彼は」



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