タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「大丈夫。カッコよくなるよ!」


気分を乗らす私はひどいヤツだなと思った。
だって、カッコよくなる保証なんて私には一切分からないのだから。


小瓶を持ったウタくんは嬉しそうに笑って頷く。

そんな彼に悶えそうになる。


ああ、だめだ。もう可愛すぎるっ……!


顔を覆って小さく深呼吸をした。


ウタくんは少し躊躇しながら全てを飲み干した。


数秒もしないうちに体が青く発光しだした。
小瓶に入っていた液体が内側から弾けているみたいだ。

彼の様子は見えないけど声が聞こえる。とても驚いているみたい。


さらに光は強まって私は目を閉ざした。



光は次第に弱まり、共に目を開けていく。


そこには人間と化したウタくんがちゃんと立っていた──。



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