『コーン』な上司と恋なんて
「私の励ましが効いて良かったですね」


そう言うと「全くだ」と笑い、まるでジョン君を撫でるように優しく髪の毛に触る。


課長の大きな手に触れられるとホッとする。
身も心も、全部さらけ出したくなる。



「翼」


苗字をさん付けで呼んだ人が下の名前を呼び捨てた。


「はい?」


何だかギャップを感じて面白いと感じた。


「今から翼の家へ行こうか。ご家族に付き合ってることも報告しておきたいし、結婚の意思があることも伝えておかないと」


「えっ……」


「手土産は何がいいかな」


「えっ…ええっ!?」


嬉しそうに歩き出す課長の背中を慌てて追った。


ちょっと待った!
それはまだ時期早じゃない!?


「課長、いえ、あの、広幸さん……っ!」


私はまだ、親には何も言ってないんですよ〜〜!とか、聞く耳も持たずに運転席に押し込まれる。


「運転してくれよ。…あっ、途中で手土産買うから適当な店の前で止めて」


「いや、だから、それは……」


躊躇する間もなく出発進行!と言われた。

渋々エンジンをかけ、なるべく遅く着くようスピードを抑え気味に走らせた。



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