『コーン』な上司と恋なんて
「今日は疲れてしまって。早く部屋に帰って休みたいんです」
さっきまでは誘われたら自分がお金を出そうと決めてた。
金澤さんの所でどんなやり取りをしたかを聞いて、「お疲れ様でした」と声をかけてから…と思ってた。
(断りたくなんかないよ。私だって課長と一緒に飲みたいのは山々なんだから)
でも、どうしても許せない。
ハッキリしない課長の態度が嫌。
「……フラれたか」
課長の言葉にハッと目を向けた。
残念そうに息を吐いてる姿を見つける。
「そうだよな。芦原さんにも彼氏がいるだろうし」
どうしてそうなる。
私は一言だっているなんて言ってない。
「いません!」と宣言してやろうかと口を開いた。
でも、それを公言したところで、私が課長の何になれる?
(何にもなれないのに言う?同情されるのがオチじゃない)
そう思ったら言う気も失せてしまった。
黙ってたら認めることになってしまうんだろうか。
何も話さないでいる私を見て、課長は「それじゃあな」と囁いた。
ビクッとして見上げたら、少し悲しそうな目をしていて。
「気をつけて帰れよ。呼び止めて悪かった…」
コートのポケットに手を突っ込んで踵を返して歩きだした。
その背中を見ながらぎゅっと唇を噛み締める。
私が望んでた夜は、こんな筈じゃなかった。
なのに、どうしてそんなにアッサリと諦めるの……。
さっきまでは誘われたら自分がお金を出そうと決めてた。
金澤さんの所でどんなやり取りをしたかを聞いて、「お疲れ様でした」と声をかけてから…と思ってた。
(断りたくなんかないよ。私だって課長と一緒に飲みたいのは山々なんだから)
でも、どうしても許せない。
ハッキリしない課長の態度が嫌。
「……フラれたか」
課長の言葉にハッと目を向けた。
残念そうに息を吐いてる姿を見つける。
「そうだよな。芦原さんにも彼氏がいるだろうし」
どうしてそうなる。
私は一言だっているなんて言ってない。
「いません!」と宣言してやろうかと口を開いた。
でも、それを公言したところで、私が課長の何になれる?
(何にもなれないのに言う?同情されるのがオチじゃない)
そう思ったら言う気も失せてしまった。
黙ってたら認めることになってしまうんだろうか。
何も話さないでいる私を見て、課長は「それじゃあな」と囁いた。
ビクッとして見上げたら、少し悲しそうな目をしていて。
「気をつけて帰れよ。呼び止めて悪かった…」
コートのポケットに手を突っ込んで踵を返して歩きだした。
その背中を見ながらぎゅっと唇を噛み締める。
私が望んでた夜は、こんな筈じゃなかった。
なのに、どうしてそんなにアッサリと諦めるの……。