契約彼女にした理由
「あの男だろ?ここへの出入を禁止にすればいいだけじゃないのか?」



美月から駈に視線を向ける。



「俺から浜崎さんに頼んでおく。美月ちゃんの気持ちも考えろよ。」


「…………。」



もう一度美月を見た。申し訳なさそうに私を見上げている。


私は大きく深呼吸をした。



「私から浜崎にはお願いしておく。今日は本当にごめんなさい。」


「吉良葉月ね。」



私は学と同じ様にニヤリとする駈を見下ろす。



「何?」


「いや。」



私は駈から美月に視線を移した。


「美月、帰るわよ。」


「あっ、うん。」



私達は背を向けて歩き出せば、意味深な言葉にチラリと駈を見た。



「またね、お姉ちゃん。」



私はそのまま美月と家に帰った。
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