契約彼女にした理由
それからは親父に言われた通り、我武者羅に仕事に没頭した。


期限は一ヶ月――――。


葉月の誕生日には吉良副社長に挨拶したい。



「葉月、俺を忘れるなよ。」




葉月の声を聞けば、絶対に逢いたくなる。


葉月に逢えば、絶対に離れたくなくなる。



「Mr.篠崎?」



ふと仕事中に葉月を思い出す。だけど、この気持ちも封印しなければ成功しない。



「失礼しました、Mr.ジェームズ。」


「明日から日本です。宜しく頼みます。」


「もちろんです。」



葉月とは電話しかしてない。


明日、日本に帰ることも話してない。


話せば逢いたくなる。


だから今の交渉が成功するまでは逢わない………いや声も聞かない方が集中出来るか。



「葉月、絶対に待ってろよ。」



昼間は交渉、夜も遅くまで資料作成。文字通り、我武者羅に仕事に没頭した。


だけど葉月を不安にさせているとは思いもしなかった―――。
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