目を閉じてください
14
「どうかしましたか??」
翌日。
休憩室で叶多さんに顔の前で手をひらひらされてハッとする。
「いや、えっと…」
あの後、
「いや待って??職場の男は退院したら出会うんだから、それとなく姉の存在をアピールするだけでいいわ」
「姉がいまして…ふたつ上の」
どう言えば自然だ!?
わざとらしい話の持っていき方しか出来ないぞ!?
ふう、とため息をつくと、
「ああ、本来ここに勤める予定のお姉さまですね??紹介してもらうようにでも言われました??」
「私って、そんなに分かりやすいですか…」
落ち込む。
「嘘が付けないのは大抵いいことですよ。素直で」
「どうせ会うんですから、写メも見なくていいですよね。彼氏探しの腰掛け目当てみたいですみません」
「そこは会ってのお楽しみと言うところでしょうか。まあ、仲咲さんのお姉さまなら、おかしな女性ではないでしょうし。お加減も良さそうで何よりです」
やんわりと保留にされた。
むしろ大人の対応だ。助かった。
クリーニング担当呼び出しのオルゴールが鳴った。