HOPE -R-




僕は君の小さな命に触れて優しく抱っこして
僕を見て微笑んでくれたのだ。
小さな手が僕の頬を撫でるように触ってきて
僕は抱っこしたままゆっくり前に歩いた。




後ろからゆっくり歩きながら海を眺める君
頬を伝う涙を人差し指で拭いながら
優しい風が君を包んで離さなかった
僕の家はモノクロで弦楽器と仕事用のパソコンとピアノがあるぐらいで他には本が沢山あって望遠鏡やプロカメラがあるだけ。




君たちを僕の家に招くのは初めてだった
僕は手作りで作ったベビーベッドに温かいホット毛布をひいて寝かしつけた。
君は不思議そうに僕の家の中を見渡して、ピアノに触れたり、本棚を見たり、ギターを触ったり、君は微笑みながら


「とても落ち着いた部屋ね」


とそう呟いた。

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