空に散った君の瞳
先に口を開いたのは、確か君だったよね。


「私は信じてもいいと思う」


「何を?」


君はそれには答えずに、ごろんと寝っ転がった。


そして、一人ぼっちの満月を君の瞳に映しながら、


「人間って死ぬ運命なのよね」


ぽつりと呟いた。


「どうしたの、急に」


手に当たる冷たい草がむず痒い。


遠くで電車の駆け抜ける音が聞こえてきた。


一時、僕は線路沿いの住人に想いを馳せた。


毎日聞くこの音を、線路沿いに住む人は迷惑と思っているのか、それとも既に慣れてしまっているのか……

< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop