猫系男子のきまぐれ。
「ありがとう、春くん」


「ん」


そう言ってまた歩いていく春くん。


まだ不機嫌だけど、ちゃんと歩幅は合わせてくれる。


喧嘩したときも、ご飯はおいしいって食べてくれるし、テレビのチャンネルも譲ってくれる。


「春くん」


「なに?」


不機嫌なのにしっかり返事してくれる。


「ごめんね、なんでもない」


不思議そうに首を傾ける春くん。


それよりも、どうして春くんは不機嫌なんだろう。


私は一緒にお肉を探してただけで、何かした覚えはない。


うーん、うーん…と考えてるうちに家に着く。
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