愛‥とは?夫婦‥とは?

佐木山 大空・・side

あの日‥‥‥‥‥
両親がいきなり
「「大空、私達離婚をする事に
        したんだ。」」
と、言った。

いつも、一緒に仕事をしていた両親で
仲も良かったはず。

「・・・えっ。」

だが、父親から
「母さんも、
やはり自分自身の写真を撮りたい
と、言うんだ。
だから、二人で話しあって
母さんと父さんの写真の考え方も
違うから、別々に生きて行こうとなった。
母さんは、足固めとかで
大変だろうから、
大空の親権は俺がとった。
で、悪いんだが
父さん、暫くイタリアなんだ
だから、お前にもイタリアに
移って欲しい。」
と、言われた。

「嫌、俺は日本で一人で大丈夫だから」
と、言ったら
「すまない。
母さんの資金の為に
この家は、売却したんだ。」

「俺には、選択肢はないんだね。」

「「ごめんね・すまない」」
と、母と父。

どうする?どうしたら?
綾華‥綾華‥と、
別々に生きて行くなんて
離れたくない!

すると、親父が
「綾華ちゃんには、
きちんと話しておけよ。」
と、言った。

だが、俺は言えなかった。

経済能力もない俺に
先が見えてない俺を
待ってて欲しいとか
ましてや、一緒に行こうとか言えない。
綾華は、医者になるために
頑張ってきたのだから。

俺は、悩んだ末何も言わずに、
行く事にした。

どう説明したら良いのか
わからなかったし
きっと、綾華ならわかってくれる
と、言う甘い考えも
あったと思う。

俺は、黙ったまま
  イタリアへと移った。



後で、綾華が
どうなって
どう苦しんだかも
知らないで・・・・


俺は、イタリアに移ってから
がむしゃらにピアノを勉強した。

大学を受け直し
卒業してからも
いろんな賞を受賞して行き
俺はピアノに明け暮れていった。

あちこちにピアノで行くようになり
同じピアノ課にいた前田 葵さんが
マネージャーみたいな事をするように
なった。

葵さんは、俺より三才上だが
自分のピアノを捨てて
俺に献身的に尽くしてくれた。
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