愛‥とは?夫婦‥とは?
8項 

再 び


「音空、静かに聞くんだよ。
騒いだら、« めっ »て
言われちゃうからね。」
と、言うと
音空は、
「うん。」
と、言いながら
首をこく、こくしていた。

そっと、ドアを開けて
中に入り
椅子に腰かけた。

音空がいるから
後ろの端の席にしてもらっていた。

音空は、直ぐにピンと来たみたいで
私の顔を見たから
私が微笑むと
嬉しそうな顔をした。


大空の音色は、初め少し音が固く
緊張感がつたわってきた。

だが、団々と大空らしい
音色となって行った。

大空は、
三曲 弾く事になっていた。


二曲は、ちゃんと聞いていたが
三曲目は、音空が寝てしまったためか
私も寝てしまった。

クスクス·····笑っている声が
·······きこ·····える·····

目をあけると·····大空が··いた·····

「毎度、毎度、子守歌だね。」
と、言うから
「うふふっ。」
と笑って、唇に指を立てて
下を指差すと

大空は、びっくりした顔をしてから
寂しそうな顔をした。

紗輝斗の子か 他の人の子と
思ったかな?

「親子で似てるの。」
と、言うと
「どうして?····ここに?」
「ん?ドイツにいるの。」
「えっ?ドイツ?いつから。」
「二年前からかな。」
「探してもいないはず。」
「クスッ、そうだね。」
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