明日の蒼の空
第5章 クリスマスの奇跡
 子供は大人より適応能力が高い。りさちゃんは私より早く新しい環境に慣れた様子。夏美さんと私が何も言わなくても、率先して家事を手伝ってくれる。

 小さな手で一生懸命にお皿を運んでくれて、洗濯物干しを手伝ってくれる。お掃除、お掃除、楽しいな。とお歌を歌いながら、家のお掃除を手伝ってくれて、夕食の支度も手伝ってくれる。我がままは言わず、不平不満も口にしない。

 晴れの日や曇りの日は、お空に向かってシャボン玉を吹いたり、道端に咲いている草花を観察したり、広大なひまわり畑の中を歩いたり、東ひまわり公園で遊んだり、空のキャンバスに絵を描いたりして過ごしている。

 雨の日は、ダイニングの椅子に座って絵本を読んだり、塗り絵やお絵描きをしたり、折り紙を折ったり、あやとりをしたり、私と枕投げをしたりして過ごしている。

 みんなのひまわり憩い食堂で、ボリューム満天のお子様ランチを食べて、みんなのふっちゃんでいただいてきたおもちゃで遊ぶ。

 左隣の家の聡くんや年上の子たちとお友達になり、歳が近い、たあくんともお友達になった。

 りさちゃんが家に来てから、八日目の夜、三人で夕食を食べていたとき、りさちゃんが夏美さんと私の名前を呼んでくれた。

「夏美おばちゃん、蒼衣お姉ちゃん」

 当然、私は嬉しかった。

 夏美さんは、自分だけおばちゃんと呼ばれて、苦笑いを浮かべていた。
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