明日の蒼の空
第6章 新たな再出発
 冬休み初日の朝、りさがノートにこんなことを書いた。

 げつようびとすいよいびときんようびとにちようびは、あたらしいぼうし。かようびともくようびとどようびは、ふるいぼうし。おかあさんがつくってくれたあかいけいとのぼうしはせかいいちあったかい。

 こども園の授業で平仮名の書き方を教わったという。

 どの字も形が崩れているけど、嬉しい気持ちがよく伝わってくる。



 今日は日曜日。りさは新しいほうを被った。

「あったかーい。あったかーい。頭がぽっかぽかだよう」と言って、にこにこと笑顔を振りまいている。

「あたしにも被らせて」
「ダメだよう」

 りさにきっぱりと断られてしまった夏美さんは、「残念無念」と言って、苦笑いを浮かべていた。

 赤い毛糸の帽子は、それだけ大切だということ。
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