明日の蒼の空
 ちひろさんとだいすけさんの交際は順調に進んだ。

 何度かデートを繰り返した後、ちひろさんは、だいすけさんが所属するフットサルチームのマネージャーになった。

 体力作りのためか、朝と晩にジョギングをするようになり、サッカーボールを買った。

 選手のサポートに汗を流し、試合後の反省会に参加して、楽しそうにお酒を飲んでいる。

 働く意欲が出てきたようで、自宅近くのホームセンターで働き始めた。

 眠る前に、りさの写真に話し掛けて、いろんなことを報告している。

 もう大丈夫そうね。と夏美さんが言い、お母さん、今日も一日、お疲れ様。とりさが声を掛けた。

 私も安心して、どうもお疲れ様でした。と声を掛けた。

 家に戻って、夏美さんと話し合い、これからは、ちひろさんのプライベートにはあまり干渉しないでおこうということになった。

 今から、一人だけで地上の世界に降りてもいいと、夏美さんがりさに伝えた(お母さんに逢いに行くときだけという条件つきで)。

「お母さんの様子を見に行ってくるね」
 りさが嬉しそうな顔で言った。

 ついさっき見に行ったばかりだけど、また見に行きたくなった模様。

「いってらっしゃい」
 夏美さんと私は笑顔で見送った。

「ただいま」
 りさはすぐに戻ってきた。

「お母さんの様子はどうだった?」
 夏美さんがりさに尋ねた。

「寝てた」
 りさは恥ずかしそうに答えた。
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